正真正銘あたしが公園のトイレでうんちをしているとき、時刻は2時37分でした!それが真由美おばさんのアリバイだ。なぜ時刻を覚えていたかという質問に、真由美は「和式便座の正面に振り子式の壁掛け時計があったから」と答えるだろう。手洗い場ならまだしも、公衆便所の個室に壁掛け時計があるのは珍しいので時刻は鮮明に記憶された。「振り子のリズムって癒されますね……」アンティークを感じながら糞を垂れる真由美であったが、ここではたと顔色が変わった。「この時計不自然すぎない???」盗撮カメラだったらどうしよう…疑念にかられた真由美はすぐさま時計を調べることにした。が、まだ一本糞の途中。肛門から垂れる糞が邪魔で立つに立てず、ひりどもひりども糞は落ちず、尻を浮かせて左右に振ったら振り子のリズムとシンクロしてバカみたい。気ばるうちに日も暮れて、どっちが時計なんだかわからぬほどに低迷する始末。腕泣き。このままではらちが明かぬと覚悟を決めた真由美、糞をあきらめ仁王立ち。時計に手を差し伸べる。すると突然、壁掛け時計の盤面が開き高速で何かが発射された!放たれた何かが1000℃の鉄の矢だと判明したとき矢じりは真由美の脳に到達していた。その後も立て続けに矢が発射されて的中の連続。鉄の雨を浴びる真由美はのたうちながら後退して終いには壁に磔にされてしまった。それでも一本糞はちぎれずに笑うようにゆれていたのだそうだから驚きだ。果たして真由美は壁掛け糞振り時計人間となった。ねぇ刑事さん、あたし今何時よ! |