【回答】 『ワサビターボで孫を襲うゾンビの集団を倒すため』
裁判長「被告人、ワサビターボとは何ですか」
100歳「はい。フィールド上のワサビを取得し、無敵状態でダッシュすること、また無敵状態を利用して体当たり攻撃をすることをワサビターボといいます」
裁判長「それでは被告人、あなたはなぜワサビターボを使用したのですか」
100歳「孫を助けるためです」
裁判長「詳しく陳述してください」
100歳「孫がゾンビに取り囲まれており、いまにも食われそうでした」
裁判長「何故ゾンビに囲まれていたのですか?」
100歳「分かりません。孫の誕生日に美味いものを食べに連れていってやろうと一緒に出かけたのですが、どうも朦朧したのか、目を離した隙にいつのまにか孫がゾンビに」
裁判長「お孫さんがゾンビに囲まれていて、あなたはどうしましたか」
100歳「その孫を助けるためその場にあったワサビを取得し、使用しました」
裁判長「ワサビターボを使った結果どうなりましたか」
100歳「……」
裁判長「被告人」
100歳「歳をとり、足を悪くしているせいか、ゾンビを1人倒した程度で足が止まってしまいました。ゾンビは青い血を撒き散らしながら、その場に倒れました」
裁判長「お孫さんはどうなりましたか」
100歳「驚いた顔をしていました。……そのあとはどうなったか。気がついたらこの裁判所に」
裁判長「分かりました」
裁判長「それでは100歳のおじいさん。まず、あなたはワサビターボを使っていません」
100歳「えっ」
裁判長「あなたが無敵状態でぶつかったのならば、1体目のゾンビでターボが途切れるはずはありません。つまり、あなたはワサビターボを使っていないのです」
100歳「そんな、あのときは確かに」
裁判長「さらにいえば、あなたはワサビを取得していません。あなたがフィールド上と呼ぶ丸亀製麺店内にあったのは、ネギや胡麻と同様取り放題の揚げ玉であり、多くの目撃者があなたが揚げ玉を取得したところを目撃しています」
100歳「そんな……!」
裁判長「そう。あなたは、ワサビターボをしていません。揚げ玉ターボをしたのです」
【回答】 『揚げ玉ターボで孫を襲うゾンビの集団を倒すため』
100歳「確かに、あんまり辛くなかった……」
裁判長「そして、あのとき100歳のおじいさん、あなたが倒したのはゾンビではありませんでした」
100歳「しかし、あのときは確かにあいつらはあんな大声を出して、孫を取り囲んで」
裁判長「お孫さんは確かに取り囲まれていました。しかし、それはお孫さんの同級生だったのです。それは、多くの目撃者やお孫さんも証言しています」
【回答】 『揚げ玉ターボで孫を襲う同級生の集団を倒すため』
100歳「そんな……ということは、孫は同級生にいじめられて……!」
裁判長「そうではありません。100歳のおじいさん、あなたの証言を思い出してください」
100歳「証言?」
裁判長「あなたが最初のゾンビを倒したとき、ゾンビは青い血を撒き散らしたと言っていました。実はその血がここにあります。さあ、このメガネをかけてよくご覧ください」
100歳「こ、これは……!」
裁判長「そう、丸亀製麺のうどん札。うどんを1杯食べるごとに配られ、3枚集めればトッピングを、5枚集めれば天ぷらを、そして10枚集めればうどんそのものと交換ができるうどん札です。また、2019年からアプリやチラシのクーポンなどと併用が可能になったことはあまり知られていません」
100歳「何てお得なんだ……!」
裁判長「分かりましたか。つまり、お孫さんを取り囲んだ同級生は、誕生日だったお孫さんを祝うため、みんなのうどん札を集めてプレゼントしていたのです。そこにメガネを掛けていないあなたが、揚げ玉ターボをしたのです」
【回答】 『揚げ玉ターボで孫を祝う同級生の集団を倒すため』
100歳「そんな……私は……! じゃあ、私がしたことは……!?」
孫「おじいちゃん!」
100歳「ハッ、孫!?」
孫「僕のために頑張ってくれてありがとう! でもワサビとかデスソース食べて全力で走るあれ、小さい頃は面白かったけど心配だからもうやめてね!」
100歳「孫ッッ……!」
そうして、刑務官によりすぐに取り押さえられてしまったが、 100歳のおじいさんは、傍聴席へ向かって一瞬だけ全速力で走ったのだった。
【回答】 『大好きな孫に謝るため』 |