俺の名前は上井草雄介(うえいぐさゆうすけ) 地元の会社で働く営業マンだ。 学生の頃は苗字のせいであだ名が「ウェーイ」だった。 しかし俺はパリピには程遠い学生だった。特に何かに長けているわけでもなく、学力は中の上、運動は本当に中の中とクラスの中でも特に輪の中に入るタイプでもない地味で周りから見ると真面目で少し愛想が悪い人間だったのかもしれない。
そんな俺の親父は公務員、おふくろはSMAPの追っかけ 親父は昔から特に俺の学校生活などには深掘りせず進学や将来の夢に関しても特に何も言ってこなかった。 おふくろはというと今でもSMAPの再結成を願っている。 そんな俺は地元から離れた大学を受験しようと思った。 地元が嫌になった、家族から離れたいというわけではなくなんとなく地元以外の風景を見ておきたかった。 そのことを家族に話すとやはり親父は特に何もなく「お前の人生だ好きにしたらいい。金なら心配するな。お前のために溜めていたんだからな。」 予想通りの言葉だった。けどそれが少し嬉しく感じた。 おふくろは「神奈川の大学はどう?中居君の地元よ。」
そんな俺は大学に合格して高校卒業後に一人暮らしのため電車に乗って地元を離れる。 両親、友達が見送りに来てくれた。 なんでだろう。夏休みや正月には帰るつもりなのにもう会えないんじゃないかと思ってしまう。 親父を見てみるとその目に少し涙が浮かんでいるように見えた。 おふくろからは「これ、電車の中で聴いてね。」 とMDプレイヤーを渡された。こんなもの使ってる人なんてもういないよと笑いながらMDプレイヤーを受け取る。 電車が出発する時間、電車に乗り込み来てくれたみんなに何か言おうとしようとしたけど上手く言葉が纏まらない。 「じゃあ、行ってくる。」 本当はもっと何か言いたかったはずなのに、こういう時自分がもっと明るい性格だったらちゃんと話せたのかもしれない。 電車に揺られ1時間、窓の外を見てみるともう地元とは呼べないところまで来た。 あと2時間くらいで新しい暮らしが始まる。 そういえばおふくろから受け取ったMDプレイヤー。どうせSMAPの曲だろうなと思いイヤホンを耳につけて曲を再生した。
“ きょう会わない?”ってキミの電話 ボクも今そう思っていた テレパシーみたいでウレしい 明日は休みだ仕事もない 早起きなんかしなくてもいい キミと昼まで眠れそう oh … 渋滞のタクシーも oh … 進まなくたって イライラしない yeah! シェイクシェイク ブギーな胸騒ぎ チョーベリベリ最高 ヒッピハッピシェイク シューシュー星が流れてく あしたからハレルヤ ふたりならヤレルヤ ポケットティッシュを2個もらった ネオンボードは輝いてる 街は楽しくうたってる すれ違ってく恋人たち ウデを組んだりけんかしたり みんなどこへ行くんだろう? oh … ガムをふんづけても oh … きょうはオコらない イライラしない yeah! シェイクシェイク ブギーな胸騒ぎ チョーベリベリ最高 ヒッビハッピシェイク ヘイヘイ 嫌な顔しない キミと会えるから あしたからハレルヤ
oh … 吹き抜けてく風 oh … 気持ちがいいもんだ 夜はこれから yeah! シェイクシェイク ブギーな胸騒ぎ チョーベリベリ最高 ヒッピハッピシェイク ヨーヨー キミが待っている しあわせな気分さ シェイクシェイク ブギーな胸騒ぎ チョーベリベリ最高 ヒッピハッピシェイク シューシュー星が流れてく あしたからハレルヤ ふたりならヤレルヤ
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