4/9 帰り道、不気味なおじさんに出会った。 おじさんは数字を知らないらしい。
4/10 またおじさんがいた。おじさんはホームレスという存在らしい。この地域ではよく見かける気がする。数字を知らないなら、足し算を教えてあげようと思う。
4/11 1+1=2を教えてあげた。おじさんは「なるほどね。」と言っていた。
4/12 1+2=3を教えてあげた。「何か増えた気がする。」と言っていた。 このおじさんは見る目があると思う。
4/13 5+5=10を教えてあげた。「息が苦しい。」と言っていた。どうやら大きい数字は苦手らしい。
4/14 10+10=20を教えてあげた。「理解できるようになってきたが、日に日に苦しくなってきた。」と言っていた。
4/15 かけ算を教えてみた。1の段を楽しそうに覚えいた。
4/16 2の段、3の段を教えてあげた。おじさんは少し苦しくなって寝込んでしまった。
4/17 4の段、5の段を教えてあげた。5の段の最後におじさんは気絶してしまったが、耳元で引き算をささやいたら元気になった。
4/18 イタズラで9×9=81だと言ったら、おじさんは倒れてしまった。慌てて「0!0!」と叫びながら心臓マッサージをしたら息を吹き返した。 しかし、急いで救急車を、と思い「119!」と叫んだ瞬間、完全に死んでしまった。
4/18 おじさんが死んで1年。どうやらあのおじさんはこの地域で相当嫌われていたらしく、生き返らないように、と墓には「1億」と刻まれていた。 |