平和だった体育館である日,変わり果てた姿のバスケットボールが発見された。 容疑者はバレーボール,ハンドボール,跳び箱,マット。 いずれにも動機があった。
バレーボール「いつも小麦色の肌を自慢してくるしさ…」 ハンドボール「『ちょっとチビ,ちょっとチビ』っておいらを馬鹿にしてくるんだ」 マット「会うたびに『一反木綿かっ!』ってツッコんでくるんだよ。腹立つ…」 跳び箱「俺も『重箱かっ!おせちかっ!!』って…つまんねぇんだよ,あいつ」
食い違う供述。 見つからない凶器。 上から目線で話を聞くゴールネット。 遠くで見つめる3年1組のたけし君。 そして彼を叱っている担任と教頭先生。
事件の迷宮入りは確実とみられる… |