罪は償えない。
夏の暑い日。私は物を投げて壊した。それは、息子からの誕生日プレゼントだった。たった一瞬のことだ。しかしプレゼントってのは、人から人へ送られる愛そのもの。祝う気持ちだけでなく、日頃の感謝や連なる想いを形にして送る唯一の機会なのである。そんな想いの塊を、私はほんの数秒で無碍にしてしまった。終わらせてしまったのだ。涙が溢れてくる。「誕生日おめでとう!」あの日の息子の言葉が、残酷なほど鮮明に思い出される。私はなんてことをしてしまったんだ。手足の先端から、小刻みに身体が震えていく。暑い夏が、冷えていく。
ごめん。
いつも怒ってて、ごめん。
保冷剤を悲しそうに捨てる息子に、私はただ謝ることしかできなかった。 |